ミュシャは日本では有名で
その作品に触れることは多いです。
彼の作品は、ファンタジーっぽいイラストのイメージが強く
キレイな絵を描く人だな、て思ってるぐらいで
実はそんなに好きじゃなかったんです。
でも展示会の広告を見て気持ちが変わりました。
ミュシャの祖国を描くスラブ叙事詩の絵を見たら
その迫力に惹かれて、観たいと思いました。
観に行ってみてびっくり。
天井が高いホールに飾られているのに
天井まで届くほど高く高く描かれている作品、大きい!
高さなんと6メートルもあるそうです。
ど迫力です。
撮影OKの作品もあるので撮ってきました↓
ミュシャは故郷チェコや自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした作品を数多く描きました。その集大成が、50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間を捧げた画家渾身の作品《スラヴ叙事詩》(1912-1926年)です。およそ縦6メートル、横8メートルにも及ぶ巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出す壮大なスペクタクルであると言えます。
スラブ民族やチェコのことは知らなかったんですが
もともとは日本と同じ多神教だったので、
太陽や火の神様など祀っていたそうです。
ほんと、日本みたい。
ただスラブで使われていた言語に文字が無かったので、
記録として残っていないのだそうです。もったいない。
キリスト教が入ってきて、戦争があったり
民族の中であった葛藤が描かれています。
星を見て未来を占っていた時代と
皇帝、法王、神々などの登場人物、
そこにミュシャの世界観が合いまって
民族的な重い雰囲気だけでなく
占星術のようなタロットのような、
少しファンタジーの雰囲気があるのがミュシャっぽい。
これ以外に、彼の仕事が色々展示されていました。
芸術家としてこんな作品を作れるのに、
切手や雑誌、小説、パンフレットの表紙を描いたり
ジュエリーやインテリアのデザインも行っていたのがすごい。
遅咲きでいろんな作品を描いてるのは
北斎と似てておもしろいです。
どんな作品を観ても、彼らしさが出ています。
線の美しさ、大胆な構図、非現実的で幻想的な世界観。
自分のスタイルを確立してたんですね。
彼の絵は、ただ絵を描いているというより
その一枚の絵の中に、
ひとつの世界や物語を描いている気がする。
なんか癒やされました。
現実感がない世界は、一種の癒し。
うっとりして、ふわっとなって、
現実の重みを忘れさせる。
現実感が無い人に接してて癒されるのと、
同じことなんでしょうね。
タロットが好きな人は彼の世界観に
癒やされるんじゃないでしょうか。
うっとりし過ぎてずっと口が開いてたのか
観終わったら喉がカラカラでした 笑